加速する中国のコンビニ発展

――市場飽和と人口減少で日本では頭打ち感のあるコンビニ業界ですが、中国ではまだまだこれからの発展が見込まれるようです。中国コンビニ業界の発展、課題、これからの方向性を論じたニュースがありましたので、ご紹介します。

朝方、北京市民の陳さんは、団地の入り口にあるコンビニ「便利蜂」で朝ごはんを買う。「包子(中華まん)、油条(揚げパン)、焼餅(パンの一種)など何でもある。種類が豊富なだけでなく、家からも近いし買い物するのに便利。それに店のAPPを使って注文すれば、店員が家まで届けてくれるから、家から出なくても良いの」

深夜、南京に住む徐さんは仕事からの帰り道に、コンビニ「蘇寧小店」でおでん・麺類・パンなどを買ったり、白湯を飲んだりして自分にご褒美をあげている。これで一日の締めくくりというわけだ。蘇寧小店から出るときには、預かっておいてもらった宅配物をついでに受け取る。「昼間家には誰もいないから受け取れないし、廊下に置いておくのも心配。家のすぐ近くにあるコンビニで代わりに受け取ってもらえると便利だし、気楽だ」と話す。

通常、コンビニはどこも団地の一角や街角にあり、家から近くて時間や手間を省けるために、住民たちから人気がある。日用品や消耗品などの小売のほか、多くの店は地元の事情に合わせて付近の住民たちに朝ごはんを提供したり、宅配便を代わりに受け取ったりと多様なサービスを行っている。

このような新しい形のコンビニは住民たちの生活を便利にするとともに、自らも利益を増していっており、都市における新しいコンビニ産業の発展が、ひいては全体の経済成長にもつながる。

「2019年中国コンビニ発展報告」というデータによれば、2018年中国のコンビニトップ100企業の売上高合計は2264億元(約3兆5500億円)に達し、前年より19%増加した。中国全土のコンビニの数は12.2万軒に達し、前年と比べ14%増えたという。中国のコンビニは、今まさに発展の途上にある。

新しい形のコンビニ店がもたらすチャンスに、従来の小売業者も魅せられている。北京を中心に展開するスーパー「超市発」の副社長である趙氏によれば、「我々のスーパーはこれまで〔庶民の台所〕として、主に中高年層にサービスを提供してきた。若者にはあまり縁がない存在だったと言える。そこで2017年、我々はコンビニ業態を展開していくことを決め、おにぎりやお惣菜、スイーツなどの食品を販売し、若者のお客一人一人に一食分のご飯をまるごと提供している。24時間コンビニに加え、無料の読書スペース、時計の修理や合鍵作り、クリーニングや靴の修理、15元(約236円)のスピード理髪などのサービスを提供する、地域の商業サービスセンターを立ち上げ、それを従来の生鮮食品スーパーと組み合わせて、庶民に更に寄り添ったサービスを行っていく」という。

しかしながら、近年一部のコンビニチェーンが出店を増やす一方で、苦境に立たされ閉店したり店を転売したりするコンビニも存在する。専門家によれば、コンビニは経営コストが比較的高いうえに、実はコストコントロールが他の小売業と比べて格段に難しいという。管理が行き届かずに商品の売れ行きが悪くなり、市場のニーズの変化に追いつくことができなければ、コンビニが利益を出すことは難しい。

スーパー「超市発」の趙氏はこう話す。「コンビニは人通りが多いところに開くため、店の賃料が高くなりがちだ。もしも賃料が1日1㎡当たり20元(約314円)にもなれば、利益を出すことは難しくなる。」

ローソン中国支社の副社長である車氏は「中国のコンビニ店の多くは、個人経営の小さな商店が業態を変えたものだ。そのため、サービスの質に差があり、同じような商品が多く、特色があまりないなどの理由で競争力が弱いところもある。これが、一部のコンビニが発展できない理由だろう」と分析する。

また、最近ではますます多くのコンビニに最先端の科学技術が取り入れられている。例えば、北京の「便利蜂」のある店舗は、毎日どのくらいの商品を売り上げるべきか、どれほどの商品を仕入れるか、更には商品棚に商品をどのように並べるかに至るまで、すべてシステムが計算してくれる。店員はただ、友好的に接客し店を清潔に保てば良いのだ。

コンビニの進化には科学技術の助けが欠かせない。コンビニ「蘇寧小店」グループ副社長である韓氏は、「今後はスマート型コンビニの開発に力を入れていく」と話す。科学技術を駆使して新しい商業形態を創り出し、オンラインとオフラインを融合させた手段を使って、人々の日常消費の傾向を理解しニーズを掘り起こし、データの使用と管理を強化することで人々が欲しいものをきちんと提供し、更には消費を誘導するという全く新しい「スマート商業」なるものを実現したいという。

スーパー「超市発」の趙氏はこう語った。「中国の消費者のニーズは変化している。十数年前は店内が清潔で居心地が良く、標準的な商品が買えればそれで良かった。今の消費者はもっと成熟して理性的で、それぞれの個性がより増している。我々は絶えず消費者の新しいニーズに応えるため、科学技術を使ってソフト面もハード面も進化しなくてはならない。そうでないと消費の傾向をつかむことはできないし、市場の潜在的ニーズを掘り起こすこともできない。」

参考記事:中国便利店门店达12.2万家 行业发展仍存短板

chinanews.com