カリスマ経営者・ジャックマーの20の名言で振り返るアリババの20年【前編】

(澎湃新聞 https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_4381376を翻訳・編集)

2019年9月10日、アリババは創業20周年を迎え、55歳の馬雲(ジャック・マー)は、アリババグループ董事長(会長)を退任することを発表した。教師から企業のリーダーとなり、果ては国連機関の共同議長を務めるまでになった馬雲。彼は常に注目を集め、インタビューや講演などで数々の名言を残してきた。今回は馬雲の20の名言を見ながら、アリババの20年を振り返ってみよう。

1.「アリババは将来、時価総額50億ドル(約5400億円)の企業になる」

1999年、馬雲は杭州でアリババを立ち上げた。彼がアリババの将来についてこう語った時、従業員たちの反応は薄かった。なぜなら馬雲の創業資金は50万元(約760万円)ほどだったし、彼が従業員に払っていた給料は月600元(約9000円)だったからだ。

当時、従業員たちは「社長はまた大きなこといって」と聞き流していたが、今やアリババの時価総額は4600億ドル(約50兆円)にもなり、全世界でも10本の指に入る大企業となった。

2.「一目ぼれを信じない人もいるけど、あれはまさに一目ぼれだった」

馬雲が以前テレビ番組で語ったところによると、ソフトバンクグループの孫正義会長は馬雲と6分間話しただけで、アリババへの投資を決めてくれたという。2人はまさに「一目ぼれ」だったのだ、と馬雲は冗談めかして言った。

2000年1月、アリババグループはソフトバンクなど複数の投資機関から2000万ドル(約21億5000万円)の融資を受けた。馬雲は6分間で孫正義を説得できたなんてすごい、と思う人もいるかもしれない。しかし、孫正義に会う前、馬雲はシリコンバレーで40回以上融資を断られ続けていたのだ。

3.「君たちが経営できるのは小さな組織だけだ。副総裁はよそから雇わなくてはならない」

2001年、馬雲は18人の共同創業者に向かってこう言った。しかしこの言葉は、馬雲がのちに最も残念に思う「誤り」であった。10年後、よそから来た人材はみないなくなり、一方かつて能力を疑った者たちはみな副総裁や幹部になっていたのだ。

4.「明日は今日よりも辛いことが起こる。明後日は素晴らしい日になるが、多くの人は明後日を迎えられない」

2002年4月、馬雲がテレビ番組のゲストになった時、語った言葉だ。創業するときの心理をこのように語った。このあと、彼は講演においてよくこの言葉を引き合いに出した

5.「タオバオが飛び抜けてすごかったわけではない。eBayが我々に大きなチャンスをくれたのだ」

2003年6月、アメリカのネット通販大手eBayは中国企業・易趣網の買収を終え、アメリカ式ビジネスモデルを中国でも大々的に展開していくところだった。この時、馬雲は同じくC2Cを扱うタオバオを立ち上げ、eBayとは一線を画する「無料」戦略に全力を注ぎ、多くの販売業者を自社プラットフォームに集めた。

この時のeBayとの戦いを馬雲はこう振り返る。「我々はeBayの弱点を十分に利用して、相手に致命的な一撃を与えた。」数年後には、eBayはタオバオの攻勢に対し反撃する力もないほどであり、勝負は決した。

6.「もし今回の件で逮捕者が出るなら、私がその第一号となるだろう」

2004年、アリペイ(支付宝)が始まった。グループ内に第三者決済サービスが創立されたことで、タオバオはネット通販における最後の障壁だった「決済への不安」を払拭したのである。タオバオの力もあり、アリペイもまた急速に広まっていった。

しかし、当時はアリペイに関して中国政府の許可がとれておらず、馬雲は逮捕されることも覚悟していたという。しかし、それでも突き進んだ結果、今では第三者決済やオンライン決済などの新しいサービスに対する国の管理監督問題も無事解決し、アリペイは中国を代表する新興金融機関に成長した。

7.「お客が第一、従業員が第二、株主は第三」

2006年、アリババのB2B業務が上場する際に、馬雲はこの考え方を示した。当時の投資家たちはアリババの株を買ったことを後悔したが、馬雲は「我々は必要なのは、我々の理念を信じてくれる人による投資だ。」と語った。

このような考え方に対し、多くの投資家は「株主をもっと大切にするべき」と疑問を呈した。特に、アメリカでの上場後は批判が高まったが、馬雲は決して信念を曲げず、「お客さんのために価値を創造することで、初めて従業員が成長し、そうすることで初めて株主が長期的な利益を得るのだ」と譲らなかった。

8.「ニセ商品を摘発する方法は、タオバオが切り開いてきた」

ニセ商品は、タオバオが創立してからというもの常に悩まされてきた問題であった。2011年4月、馬雲はタオバオにおけるニセ商品問題について、以下のように語った。「90%の販売業者は誠実である。また、ネット通販は中国にはびこるニセ商品問題を解決するための良薬となるだろう。」

実際、今ではニセ商品は過去のものとなりつつある。タオバオの評価システムにより、ニセ商品の販売業者は、口コミと法律による大きなリスクに晒されているのだ、

9.「5年間人気を保ち続け、失敗せず、老いず、ボケないでいられるかは誰にも分からない。失敗せず、老いず、ボケないための唯一の方法は、若者を信じること」

2013年5月、タオバオ10周年の記念式典において、48歳の馬雲はアリババのCEOを退任することを発表した。その際、声を詰まらせながら「戻る必要があっても、私は戻って来られない。なぜなら戻っても役に立たないからだ。君たちのほうがきっとうまくやれる」と語った。

10.「夢はやっぱり持つべきだ。だって、万が一叶ったらどうする?」

2014年9月、アリババはニューヨーク証券取引所に上場し、調達額は過去最大のIPO規模を記録した。馬雲も現地で上場セレモニーを見守り、アリババ社のロゴ入りTシャツを関係者に贈った。そのTシャツに書かれていたのが、彼が選んだ上記の一文である。

――残りの名言は後編に続きます。
アリババの創業を後悔する発言や政府との付き合い方まで、引き続き興味深い名言が飛び出しますのでお楽しみに!