中国語の七大方言

(作者:老歴史茶館 https://baijiahao.baidu.com/s?id=1628051111294151933&wfr=spider&for=pc を翻訳・編集・加筆)

最も由緒正しい中国語はどこの言葉?

56の民族が暮らし、80以上の言語があるといわれる中国。なかでも圧倒的多数が使用しているのが、もともと漢民族の言語であった「漢語」であり、我々が一般的に「中国語」と呼ぶものである(漢民族は現在、中国の人口の94%以上を占める)。そして、長い歴史の中でその「漢語」にも、数多くの方言が誕生した。

漢語には七大方言があり、それぞれ北方語(ほっぽうご)、湘語(しょうご)、贛語(かんご)、呉語(ごご)、閩語(びんご)、粤語(えつご)、客家語(はっかご)である。ならばこのうちで、古代漢語を最も正統に継承する言語はどれなのだろうか。まずは一つ一つ見ていこう。

① 北方語(ほっぽうご)
使用する人口が最も多く、広範囲をカバーする。現在の中国語の普通語(標準語)と密接な関係があるため、たとえ南方の人であっても、河南語や東北語(どちらも北方語に分類される)は聞き取れるだろう。北方語は「官話」とも言われるが、これは長い間中国の政治・経済・文化の中心がこの方言の使用地域にあり、政官界で使われたためである。現在、漢民族の7~8割がこの北方語を話す。

② 湘語(しょうご)
「湘」は湖南省の略称。この方言を話すのは湖南省内に住む4000万人余り。

③ 贛語(かんご)
「贛」は江西省の略称。贛語の歴史は比較的古く、宋の時代までさかのぼる。この方言を使用するのは約5000万人余りと言われる。

④ 呉語(ごご)
「江東」と呼ばれる地域(=長江下流域)の方言。上海語もこの分類に含まれる。呉語も長い歴史を持ち、宋の時代にはすでに体系化していたため、それより早期に誕生したといわれる。

⑤ 閩語(びんご)
主に福建省と台湾で話される方言。使用者は約8000万人。

⑥ 粤語(えつご)
広東語とも。粤語の影響は広範囲に及び、広東省の大部分で使用される。海外に住む華人の多くも粤語を話し、使用者は1億人に達する。広東省や香港で撮られた映画にはたいてい「粤語バージョン」があり、この地域では粤語が「普通語」である。

⑦ 客家語(はっかご)
南方地域の多くの省で局地的に話される方言。一般的に、客家語は後期の中古漢語(唐代と宋代の漢語)を受け継いでいることが知られている。

以上、7つの方言を見てきたが、言葉と文の成り立ちから考えれば、呉語こそが古代漢語の正統な継承言語と言えるかもしれない。呉語には、古代語の音が多く残っている。しかしながら、現在の呉語は体系的にまとまっているとは言い難く、内部で細分化が進み、それぞれの差異化が進んでいる。

また、長い歴史を持つ中国の「古代」をひとくくりにするのは難しい。よって、どの方言が由緒正しいかというより、どの方言がどの時代の言語に近いかを分析した方が良さそうだ。

宋が都を南方に移した南宋時代、モンゴル人が建てた元王朝によって北方の漢民族は支配された。そのため、南方の方言の方が古代漢語の特徴をより良く保っている。例えば粤語の中には多くの中古漢語が残されている。一方、北方語はその後の明・清時代の言葉に近い。

ここまで見てきたように、どの方言にもそれぞれ特色がある。結論として、七大方言のうち、どれが最も正統な漢語かを決めるのは難しいだろう。「仁者見仁,智者見智」という中国の言葉にあるように、仁者は仁を見ようとするし、智者は智を見ようとする。人によって物事の見方は全く変わってくるのである。

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