中国の受験戦争はここにも!

340万人が大学院を受験

2019年12月21日、2020年入学の大学院修士試験が中国全土で一斉に行われ、今年は341万人の受験生が「戦場」に赴いた。今年の受験者は去年と比べ51万人も増加し、初めて300万人を突破して過去最高を記録した。

統計調査から今年の受験生の構成を見ると、すでに大学を卒業している人、そして女性の割合が上がっているという。また、彼らが受験する修士の専門分野には偏りがあり、近年人気を集めているのは金融、法律、ジャーナリズムとメディア、経営学などの社会科系の分野である。一方で、工科系を受験する人数は、社会科系に比べてぐっと少ないため、競争率も低くなっている。

しかしながら本科生と院生の就職状況から見ると、社会科系専攻の卒業生は、就職率も給料などの待遇面も工科系に及ばない。さらに現在、中国社会が求めているのは理工系であり、特に工科系の卒業生なのである。

大学院試験の「難易度」も、毎年大きな話題をよんでいる。「今年の問題難しすぎる!特に数学と英語!」こう話すのは北京出身の受験生、殷さん。大学のときと異なる専攻の大学院試験に臨んだらしい。「大学生のとき学んでいた専門分野はあまり人気がなくて、就職も難しいんです。だから、大学院を目指して勉強を続けたいと思っています。」

彼女の周りでも、将来の就職のために専攻を変えて有名な大学院の工科系を受けようとしている同級生が少なくないという。「多くの人が大学二年生で大学院試験の準備を始めます。みんなすごく努力している」と話す。

専門家によると、合格率だけでなく、合格人数にも地域によって大きな差があるという。まず、受験生の出身地としては、山東省、河南省、江蘇省、四川省、浙江省、湖北省、陝西省が特に多く、昨年からの増加率も高い。例えば四川省出身者は23.3%増えて、17.4万人に達した。大学院生を募集する数が多い地域トップ5は、北京市、江蘇省、湖北省、上海市、陝西省である。どこの地域も、受験者数と合格者数の均衡がとれていない状態だ。

例えば、今回山東省出身の受験生は約31万3千人なのに対して、山東省の大学院を受験したのはその半分ほどの約16万5千人。さらに事前計画によると山東省で大学院生になれるのは約3万1千人で、合格率はわずか18.7%ほどだが、これでも全国的に見れば高い方だという。北京では7万人を合格させる計画なのに対して、全国から42万5千人の受験生が殺到している。合格率は16.4%で全国平均よりも低い。

「私が受験した大学院は毎年競争がものすごく激しいんです」と話すのは受験生の陳さん。記者が受験会場でランダムにインタビューした結果、競争に打ち勝つため、多くの受験生が大学院試験のための塾に通って勉強しており、陳さんもその一人だった。

彼女が記者に教えてくれたところによると、「今年の試験は確かに難しかった。幸い私は一年半前から準備していたし、塾での勉強がとても役に立ちました」という。「まさかあんなにたくさん、塾で勉強したのと同じ問題が出るとは」と言いながら、陳さんは塾から支給された参考書を記者に見せてくれた。参考書に出てきたある英作文の問題が、今年の英語試験で出てきたものとほぼ同じだったという。やはり塾に通うことを選ぶ受験生が多いのは、学習効率を上げるためのようだ。

大学院選びにも特徴が見られる。「ブランド校」を目指す動きだ。前述したとおり、首都北京では2020年入学の大学院を42万5千人が受け、前年から11%の増加だった。そのうち1万人以上が受験したのは、北京大学、中国人民大学、中国科学院大学、清華大学、中国傳媒大学(傳媒=メディア)、北京師範大学などの17校である。

予測によると、今回、双一流校(中国独特の高等教育機関の位置づけで、「世界一流大学・一流学科」の略。中国トップレベルの137校、465学科が選ばれている)の合格率はわずか9%しかないだろうという。

取材から見えてきたのは、大学院の受験者が年々増えるにつれて、「大学院熱」と同様に「ブランド校熱」も高まっている現状だ。受験生へのインタビューから、ブランド校を目指す動きは、就職に有利かつ就職後の出世にも有利だからという考えからくることが分かった。多くの受験生が大学院を選ぶ際に考慮するのは、その専攻の有望性と学校の知名度なのである。

(中国網 https://www.fjshuchi.com/news/j8jhh9m8bdb88m8.html を翻訳・編集)

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