中国の公的年金事情

80年代生まれの人は、定年退職後に年金がもらえなくなるかも?その不安に対する人社部の回答とは。

日本でも年金問題が世間を騒がせている。退職後の生活に2000万円の貯蓄が必要との情報に、人々はその真偽に踊らされた。日本人の人々の深層心理に、公的年金制度に対する不安感と、自分の老後に対する不安感は常に存在することが、改めて印象付けられた。

中国でも公的年金制度「養老金」がある。養老金は、本人の戸籍(都市戸籍/農村戸籍)や、就業の有無によって、大きく2つに分類される。

会社員(自営業者を含む)など被用者は「都市職工基本養老保険」(都市職工年金)に加入し、農村住民や都市の非就労者は「都市農村住民基本養老保険」(都市・農村住民年金)に加入する。公務員や外郭団体の職員は、都市職工年金の一部に分類された「公務員養老保険」(公務員年金)に加入する。

会社員、公務員などは、加入が義務付けられているが、農村住民・都市の非就労者は任意加入となっている。このような任意の加入者数は、公的年金制度の加入者全体のおよそ6割に達する。日本とは細かな制度は異なるが、老後に頼りになるべき年金制度が整備されているのは、同じである。もしその年金制度を頼りきっていて、万が一年金制度が破綻してしまったら、どうなるだろうと不安に感じる心理も同じである。

2019年7月8日、ある中国メディアが「中国養老金計算報告書2019-2050」の中のデータをもとに、2035年に養老金は枯渇してしまうという予測を掲載した。今後30年間、何とか維持できるように努力をしていくものの、現状はかなり厳しく年々赤字が膨らみ、2035年には公的年金制度は破綻するだろうと伝えた。

記事では、現状のまま定年退職年齢が60歳の場合、まったく年金をもらえない人は、2035年時点で55歳になっている80年以降に生まれた人達だと伝えた。それに対し、ネット上では年金に対する不安、定年退職の時期を延長するしかないのかという諦めの声が聴かれた。

中国で公的年金制度を運営している「人力資源和社会保障部」(通称:人社部)の責任者は、この中国メディアによる報道を受けて、次のように発表している。人々は年金制度に対する理解が不十分であり、それが不安につながっている。実際は年金基金は持続可能なペースで成長を維持している。その成長は決して急速ではなく、健全な成長スピードであり、将来破綻してしまう恐れは全く持ってないとのことである。

実際のところ、2018年末の公的年金制度基金の残高は4.78万億元であり、この額は充分な保障ができる額である。確かに客観的に見て、公的年金制度に矛盾点は存在する。しかし政府の指示をもとに、その矛盾を解決する努力をしている。この残高があれば、突然破綻する恐れは全く持ってないと強調した。

人間はみな老いていく。老いた後の生活に対する準備は、もちろん各自で必要であろう。その上で公的年金制度があれば、心強いことは間違いなしだ。中国の公的年金制度は、矛盾点を解決しつつ、健全に拡大し発展を遂げていると記事は伝えている。さて、わが日本国の年金制度はどうなるのだろうか。

参考記事:https://re.mbd.baidu.com/5941e59?f=cp&u=845eedcec5814ba6