上海市で始まった「ゴミの分別」とは?

中国メディア・北京日報は2019年7月1日から上海で始まった「生活ゴミ管理条例」が、多くの上海市民にとって、今も最も関心のある事項であるとする記事を掲載した。この条例により、市民は「ゴミの分別」を余儀なくされている。

記事によると、「湿ったゴミ」「乾いたゴミ」「有害ごみ」「リサイクル可能なゴミ」の4種類に分別するよう、新条例は定めている。またゴミを分別せずに投棄した場合、個人は最高200元の罰金、法人であれば最高5万元の罰金を課すと定めている。

この巨額の罰金制度に慄いた市民は、今まで井戸端会議の話題であった、株価や不動産価格について情報交換することをすっかり忘れてしまい、もっぱら「ゴミの分別」について論議をしていると記事は伝えている。

興味深いことに、子供の知育玩具に「ゴミの分別」を練習するカード遊びが出現し、ネットショッピングで多くの市民が購入していると紹介している。
またゲームセンターには、ハイテクノロジーを駆使した、バーチャルリアリティーゲームに「ゴミの分別」をモチーフにしたゲーム機が出現し、大人がそのゲームに真剣になって興じている姿を紹介している。

記事によると、ここ最近の上海市民の頭の中は、「ゴミを間違いなく分別する」ことであると伝えている。万が一間違えて投棄してしまったら、罰金を課されることを非常に恐れているようだと伝えている。

間違えて投棄しないためには、条例で定められている4つの分類を正しく理解することから始まる。しかし、何が「湿ったゴミ」に属し、何が「乾いたゴミ」に属するのか、ゴミの属種が分からず、上海市民は非常に困惑していた。

日本の場合、ゴミの分別は1975年から始まっており、日本国民のゴミの分別経験は40年以上あると言える。地域によってゴミの捨て方、分別方法は異なるが、多くの地域では、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「プラスチック」「あき缶・ビン」という分別がされている。このほかにも「生ゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」等々、各地域で分別方法や呼び方も異なるものの、長年の経験で、ゴミの分別にこれほどまで戸惑う人はいないだろう。中国と日本の違いは、罰金の有無である。罰金が市民の意識を変えるという実例である。

上海市民のゴミの分別の困惑を受けて、世界的な子供のアニメであるペッパーピッグの主人公であるページを使ったプロモーションが行われた。ペッパーピッグは中国の子供たちにも大人気のアニメである。下記のように、子供にも分かりやすく分別方法を紹介したところ、多くの上海市民は、次第にゴミの分別方法が理解できるようになってきたという。

「湿ったゴミ」とは「豚のページが喜んで食べるもの」のことである。
「乾いたゴミ」とは「豚のページでも食べないもの」のことである。
「有害ごみ」とは「豚のページが食べたら、死んでしまうもの」のことである。
「リサイクル可能なゴミ」とは「豚のページが他のものと交換できるもの」のことである。

当初ネット上では、上海以外の地域の市民から「上海人は大げさに騒ぎすぎだ」との声も聞こえていた。しかし中国メディア・人民网が、2020年末までに、全国46か所において、上海市と同様のゴミの分別が始まる見込みだと報道すると、中国全土が上海市民の困惑を他人事として捉えることができなくなってしまったようだ。

中国メディア・人民网によると、今後中国政府は213億元を投資し、ゴミ処理施設の建設や、分別と処理の方法をシステム化する目標を掲げている。市民の生活に根付いているスマートフォンAPPを活用した、ゴミ収集方法も検討中だと、記事は伝えている。

目覚ましい技術革新を遂げた中国で、始まったばかりのゴミ分別収集であるが、これからどのような形で進化をするのか、これからも目が離せないだろう。