地下鉄での座席トラブルで中国人が感じたこと

2019年8月20日、長沙地下鉄1号線で非常にショッキングな出来事が起こったと、中国メディアの潇湘晨報が伝えている。混雑した地下鉄車内で、ある高齢者が、席に座っていた若い女性に席を譲ってくれるように頼んだ。しかしその女性は席を譲るのを拒んだ。高齢者は大きな声をだし、何度も女性を譲るように言ったが、女性は動かなかったそうだ。

なぜ高齢者が大きな声を出したのか、またなぜ女性が譲らなかったのか、当人の気持ちは不明であるが、公共の場でこのようなケンカが起こってしまったことは、非常に遺憾であると記事は伝えている。

地下鉄に同乗していた乗客の話によると、その高齢者は乗車してすぐ女性の前に立ち止まり「その席を譲ってくれ、席に名前が書いてあるかい?書いてないだろう。その席は私の席だ」と筋の通らない理論を大きな声でぶちまけていたという。

そばにいた乗客が、「席を譲るのは、譲りたい人が譲ればいいのであって、強制するものではない」と高齢者に助言したが、その高齢者は聞く耳を持たなかった。女性はその場で、家族に携帯電話で電話を始めた。女性は非常に怯えているようだったという。

その後女性は地下鉄を降り、長沙市公安局に通報した。女性の言い分はこうだ。「高齢の方が席に座りたいのは非常によく理解できる。もし高齢の方が地下鉄車内で立っていたら、席を譲ってあげようと声をかけるだろう。もしくは優しく譲ってほしいとお願いされたら、譲っていた。このように大声で強制するのは、理解できない行為である。」

また女性は普段はとても穏やかで、争いごとを好まない性格であるという。事件当日は、体調が悪く、できれば座りたいという気持ちがあった。立つ余裕がなかったとのことである。
高齢者の言い分は、残念ながら聴くことができないが、もしかしたら高齢者にも、同情したくなるような理由があったかもしれない。

かつての中国では、公共の場でのケンカは多々あった。しかし、近年は人々の意識が変化し、ケンカに出くわす機会は徐々に減りつつあるが、それでもまだ公共の場でケンカが勃発することがある。

日本語に「ケンカ両成敗」という言葉がある。けんかや争いをした者を、理非を問わないで双方とも処罰することを意味する。戦国時代の分国法にみられ、江戸時代にも慣習法として残っている。日本には長くそのような思想があるためか、公共の場で激しいケンカになることは少ない。もちろんきちんと自己主張をすることは大切であるが、公共の場では、相手の状況や気持ちを思いやる余裕をもっていたいものだ。

参考記事:
https://m.gmw.cn/baijia/201908/21/1300604743.html?sdkver=403dee86&clientprefetch=1

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