便器を拭いたタオルで洗面所を拭くと警報が鳴る。
2018年末、中国のメディアはもちろん日本のメディアも報じたホテルのいいかげんな清掃に、中国のホテルのサービスに対して不信感を持った人も多いはずだ。
当時撮影された映像の中には、ハウスキーピングの女性が便器を拭いたタオルで、そのまま洗面台を拭いていた。確かに見た目はキレイになったかもしれないが、その清掃方法は多くの人が嫌悪感を持つだろう。
一度信頼を失ってしまった中国のホテルだが、その信頼を回復させるために、今まで見えなかったサービスの裏側を「見える化」させることにした。
中国メディアの今日頭条はこのほど、上海正探索酒店がタオルにチップを埋め込んだことを報じた。チップを埋め込むことによって便器を拭くタオルと、洗面台を拭くタオルを間違えると警報がなるシステムを導入したのだ。
また宿泊客は、ホテルにチェックインすると、QRコードとミニアプリを使って、タオルをはじめ、シーツ、枕カバー、コップが新しいものに交換されたのか、時間を確認することができるようになった。たとえ使っていないシーツやコップでも、すべてゲストが入室前に新しく交換していることをゲストに伝えて、安心して気持ちよく滞在してもらうためのサービスが開始されたのだ。
記事では、「上海新世界假日酒店管理公司の総経理は、以前よりこのようなサービスのアイディアはあったが、実現には至っていなかった。今回、このサービスを始めたところ、なんとゲストの97%がQRコードを読み込み、利用していることが分かった。多くのゲストが、このようなサービスのみえる化を希望していたことが分かり、実現できて喜んでいる」と報じている。
当初は、お部屋の電気の明るさ、室温調整にスマート化の導入を進めてきたが、ゲストがホテルに対し何よりも望んでいることは、衛生的であり、かつ安全が保障されていることである。第一に衛生さと安全を保障することによって、ゲストが快適にホテルに泊まることができるようになったと、記事は伝えている。
昨年末のホテル事件の際は、まさかこのような改善できるシステムが生まれるとは想像していなかった。多くの日本人は、「やはり中国のサービスは信頼できない」と心の底で感じたに違いない。中国は、トラブルのたびにまた一段とレベルアップしている。
「災い転じて福となす」ということわざがあるが、今の中国には災いこそ、ありがたいエネルギーに変えるパワーがみなぎっているようだ。
参考記事:https://www.toutiao.com/a6769027336227521037/?tt_from=weixin&utm_campaign=client_share&wxshare_count=1×tamp=1576112304&app=news_article&utm_source=weixin&utm_medium=toutiao_ios&req_id=2019121208582401002004701318861434&group_id=6769027336227521037